Copyright (c) 2010 Tsujihiro-gumi
Co.,Ltd. All Rights Reserved.

先輩の声

万全な準備をして
何でも挑戦すれば、
自分の力になる

積算部 岡花雄太

地道で細やか

モニターに映る設計図の上を、その男の眼は忙しく走る。設計の金額を読み取り、工事の内容や数量をはじき出す積算は、工事が落札できるか、利益が出せるか、ひいては会社の命運をも左右する。派手な仕事ではないが、地道で細やかな作業だ。
「自分の拾い出しが、相手が示す数字と合うといい仕事したと思う」。辻広組積算部、岡花雄太。パソコンに向き合っていた時の真剣な眼差しとは、うって変わって彼は優しそうな目で笑う。
父がものづくりに関わる仕事をしており、「父のように」という気持ちから、福井高専に進んだ。大学進学や公務員受験も考えたが、「建設がやりたかったし、父からも『道路や建物作る仕事ってすごいぞ』と励まされた。実はその頃はこの会社の存在もよく知らなかったけれど(笑)」。

逃げ出した過去

20歳、最初の現場。雑務に追われ、多忙な日々を過ごした。「友達は大学生で、気楽に過ごす中、なぜ自分だけと悲しかった」。辞表を会社のポストに放り込み、その後の三日間、行方不明(!)。
逃げ出した先は大阪だったが、心休まるどころか、現場が心配になり、戻ることを決意した。「頭を丸めたほうが許してもらえるかなって(笑)。自主的に丸めた頭で、沢山の人に頭を下げたなぁ」。
その後も忙しい日々は続いたが、現場終了時、達成感と満足感に溢れ、一緒に汗を流してきた下請業者からの労いの言葉が嬉しかった。「建設ってやっぱりすごいんだなって。目が覚めた。良かったのか、悪かったのか(笑)。まぁ、よかったんだろうな」。

苦い思い出

「永平寺大野道路の現場。検査当日の朝まで、重機が動いていた。自分の段取りで、当日まで動かさなくてはいけなくなった。下請けの人に物凄い負担を強いてしまったということ。いまだに悪いことをしたと思うし、後悔の念は消えない」。完成後も「崩れないかなと心配で何回か見に行った」。責任感が強すぎるのも考え物である・・・・。
若いころから大きな現場を担当してきた。「担当させられてきた(笑)やらなきゃいけないっていうのが本音。そのぶん『やってやるよ』と燃えるものもあったし、やってよかったと思う。
たくさんの人に助けてもらってきたから、今度は自分がもらったものを、今の子に返していきたい」。

本質は悪くない

若い世代の印象は「うちの会社の子も含めて、真面目でおとなしい印象。報連相も含めて、あまり自分の意思表示をしない。いつの間にか追いつめられている。コミュニケーションを取ることで、精神面のサポートもしていけたら」。
ネットで何でも調べられる時代、その知識だけで物事を理解した気になっていないか。本質は、深くまで物を見て、理解する気持ちを持ってこそ、感じることが出来る。そうして知った本質は、思うほど悪くないものだ。

プライベート

学生時代はバスケ部に所属。今でも週1回は練習に出る。
家に帰れば二児の父。家庭でも忙しいのは変わらない。「自分が忙しいとき、子供も小さく、妻に負担もかけた。その分少しでも役に立たないと(笑)。」
子供には「自由に何でも挑戦すること、でも、人に迷惑はかけてはいけない」と教えるという。「何をするでも責任感は持たなくてはならない。仕事と同じ」。

プロフェッショナルとは「断らないこと」

「No.とは言わない。言った段階で、自分の成長はない。厳しい注文にも、何とか要望に応えられないか、どうにか対応できないかを必ず検討する。最大限努力して努力して絞り出す。それでもうまくいかない時も勿論あるが、なんとかしたいと思う気持ちを忘れたくはない」。
自身を「臆病で自信のない人間」と称する。だからこそ、「万全な準備が必要だと思う。その上で、何にでも挑戦すれば、必ず自分の力になる」と信じて、難敵にも立ち向かってきた。
その結果、信頼を得て、若手からも頼られることが多くなった。好奇心旺盛で、いろいろな物に興味を持ち、挑戦してきた。一度興味をもったら、その道を探求する思いも強い「欲張り」な男でもある。
「一生懸命頑張れば、何事にも怖がらず立ち向かえる」。そう信じて、図面と向き合う目に、あの日逃げ出した弱さは微塵も感じられない。